東京の中心地である「皇居」のそのすぐ側にある文京区は、皇居がある千代田区、中央区、そして港区といった都心3区の北部に位置しています。JR総武線、東京メトロ東西線・丸ノ内線・千代田線・有楽町線・南北線、都営大江戸線の合計7路線が走っており、上野をはじめ、池袋や新宿、秋葉原、銀座といった東京都内の主要エリアに30分以内でアクセスできる好立地にあります。
文京区には「湯島・本郷」「後楽園・春日」「小石川」「根津・千駄木」「白山・本駒込」「関口・目白台」という6つのエリアがあります。そのなかでも今回は“学問のまち”として知られる「湯島・本郷」エリアと、都内屈指のアミューズメント施設がある「後楽園・春日」エリアを中心に紹介します。
“学問のまち”として知られる湯島・本郷エリアの象徴「東京大学 本郷キャンパス」
後楽園・春日エリアにはレジャー施設「東京ドームシティ」がある
生活環境に恵まれた「本郷三丁目」「後楽園」駅周辺
「湯島・本郷」エリア内にある「本郷三丁目」駅と「後楽園・春日」エリア内にある「後楽園」駅周辺は大きな繁華街はなく、教育機関が近隣に整うことからも、高所得者向けの住宅地域としても知られています。そのため、この地域の持つ独特のアカデミックな雰囲気のもと、夜間の人通りは少なく犯罪機会も減少するため、治安がよいことで知られています。
「本郷三丁目」駅周辺は、日本の最高学府である「東京大学」がある学問のまちとして知られ、高台の安定した地盤で災害にも強い山手エリア。江戸時代から営業している雑貨店や昔ながらの旅館が点在し、レトロな建築好きにはたまらない魅力があります。
一方、「後楽園」駅周辺は都内屈指のアミューズメント施設「東京ドームシティ」の最寄り駅。賑やかな印象を持たれることが多いですが、少し歩くと閑静な住宅街が広がり、緑が多く落ち着いた雰囲気のエリアです。
約400店が連なる「アメヤ横丁」のある上野に近い場所にある「本郷三丁目」駅。そして「東京ドームシティ」がある「後楽園」駅周辺は、生活用品からお土産まで手に入るショッピング施設があり、買い物には困りません。
食べ歩きできる観光地としても有名な「アメヤ横丁」
「本郷三丁目」「後楽園」駅周辺が “学問のまち”といわれる理由
「本郷三丁目」駅・「後楽園」駅周辺は、なぜ、“学問のまち”と呼ばれているのでしょうか。その理由の一つとして挙げられるのが、学問に関する史跡や教育機関が集まっている点です。
「本郷三丁目」駅といえば、国立大学「東京大学」を思い浮かべる方も多いでしょう。「本郷三丁目」駅からすぐの場所に日本の最高学府である「東京大学 本郷キャンパス」があります。また「本郷三丁目」駅から徒歩圏内の場所には、日本の学校教育発祥の地として知られる史跡「湯島聖堂」も。さらには学問の神様・菅原道真公を祀り庶民の文化発信地として親しまれた「湯島天満宮」があり、今もなお多くの受験生が合格祈願に訪れています。
節分の豆まき、例大祭、菊まつりなど季節ごとの催しもにぎわう「湯島天満宮」
一方、「後楽園」駅には都内に6校ある国立小学校の一つである「東京学芸大附属竹早小学校」をはじめ、私立中学への受験率の高い、通称「3S1K」と呼ばれている4つの公立小学校のうち、「誠之(せいししょう)小学校」「窪町(くぼまち)小学校」の2校があります。
このように数多くの優れた教育機関が集まっていることから、“学問のまち”と呼ばれています。これらの受験に備えた学習塾や幼児教育施設が多いのも特徴です。小学生の約5割が中学受験する教育意識の高いエリアとしても知られています。
とくに人気の「3S1K」の小学校は学区内に住居がないと入学資格を得られないことから、遠方からわざわざ学区内のエリアに住居を構える方も少なくありません。
学問と文学、出版・印刷業とともに栄えたエリア
「本郷三丁目」駅と「後楽園」駅に挟まれた本郷真砂町18番地(現:本郷4丁目)の炭団坂を上り切った高台に、小説家・評論家・教育家の坪内逍遥の旧居跡があります。1885(明治18)年〜1887(明治20)年に暮らし、小説を執筆した場所といわれています。1885(明治18)年に坪内逍遥が発表した「小説神髄」は、日本近代文学の出発点ともいわれる作品。この発表を皮切りに、文京区は近代文学の潮流の中心地として文学とともに栄えていきました。
また、1886(明治19)年に帝国大学(現:東京大学)が文京区におかれたことで、当時の学問とは切っても切り離せなかった出版・印刷業が発展。帝国大学周辺に出版・印刷会社が集まることで、多くの知識人や文化人、小説家、詩人が文京区に移り住みました。帝国大学出身の文豪も多く、夏目漱石や芥川龍之介は帝国大学英文科を卒業した後に小説家となっています。
明治時代に活躍した樋口一葉が24年間の短い生涯のうちの10年を過ごしていたことでも知られている「本郷三丁目」駅エリア。「本郷三丁目」駅から徒歩15分ほどの場所には「樋口一葉菊坂旧居跡」があり、彼女が愛した空間や景色をそのままの状態で見て感じることができるスポットとなっています。樋口一葉をはじめ多くの文豪たちの生活の場であったことから、森鴎外の「雁」や石川啄木の「天鵞絨」の作品の舞台としても描かれ、、石川啄木「切通坂」や徳田秋声「徳田秋声旧居跡・終焉の地」などの文豪のゆかりの地なども点在しています。
一方で「後楽園」駅エリアには、水戸黄門こと徳川光圀が建設した水戸徳川上屋敷の庭に由来する江戸時代を代表する回遊式庭園「小石川後楽園」があります。都内に現存する大名庭園の中でも最も古く、日本と中国の景勝地が数多く展開する和漢の調和が美しい庭園です。
水戸徳川家の江戸上屋敷だった「小石川後楽園」
由緒正しい老舗から今注目のグルメスポットまで網羅
「本郷三丁目」駅周辺は、学問の神様である「湯島天満宮」や教育機関が多く集まることから、日常的に通いやすい大衆的な飲食店が立ち並んでいます。また、歴史的な文豪が集ったエリアでもあったため、文豪らとのエピソードを持った飲食店も。なかでも森鴎外が訪れた「甘味処みつばち」、文京区ゆかりの文豪にちなんだ菓子を扱う「江戸あられ竹仙」や勝海舟が愛したという和菓子店「壺屋総本店」は近くに立ち寄ったら必ず訪れたいスポットです。学生が多いことから一人でぶらりと立ち寄れ、普段使いできるリーズナブルなお店が多いのも特長です。
もち米を使用して作られる小ぶりの和菓子「おかき」
一方、「後楽園」駅周辺には、「東京ドームシティ」内にあるカフェ&レストラン複合施設「ミーツポート」をはじめ、創業400年以上の老舗蕎麦店「稲成蕎麦 萬盛 総本店」、6年連続でビブグルマンを獲得したうなぎ料理専門店「わたべ」があります。
創業昭和23年のうなぎ料理専門店「わたべ」
また、朝食を優雅に味わうなら「東京ドームホテル」の3Fにある「スーパーダイニング リラッサ」がおすすめ。朝7時から営業しており、和洋食から中華までバラエティーに富んだビュッフェメニューが楽しめます。
特別な時間を過ごせる由緒正しい老舗から、今注目のグルスポットまでを網羅する「本郷三丁目」「後楽園」駅周辺エリア。家族との団らんだけでなく、特別な日にも訪れたい場所です。
文京区のなかでも特に子育て環境が強化されているエリア
「本郷三丁目」駅周辺は小規模な保育園が多く、保育スタッフ一人当たりの担当する子どもの数が少なく手厚い保育が期待できます。駅から徒歩5分の場所には球技ができる体育館を始め、プール、トレーニングルームのある「文京総合体育館」があります。子ども向けの各種教室も揃っており、英語とバスケットボールが学べるなどユニークな教室も。
認可保育園が多数ある「後楽園」駅周辺は、文京区の中で子育て環境が強化されているエリアです。駅前の区役所周辺の開発も進んでおり、認可保育園へ入園させるために必要な情報収集もしやすい環境が整っています。「東京ドームシティ」徒歩圏内にあることで、子どもの遊び場には困らないエリアといっていいでしょう。
また、文京区は居住外国人数が1万3千人を超えて東京23区で第5位を記録するエリアで(2023年1月現在)となっています。多国籍のレストランや食品店などがあるほか、異なる国の文化や多言語に触れる機会も多く、子どものグローバルな感覚や思考を育むには最適な環境ともいえるでしょう。
教育意識の高い地域であるだけでなく、子育てするための環境も整っているこのエリアを、移住先の一つとして検討してみてはいかがでしょうか?
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