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【池袋駅】池袋駅はアート・カルチャーの発信拠点!東西で異なる顔を持つ池袋エリアの魅力とは

2018年に豊島区の人口が40年ぶりに29万人を上回り(2024年3月時点でも29万人以上を維持)、区随一の繁華街がある池袋駅エリアは一層にぎわいを見せています。また、池袋駅周辺には新スポットが続々誕生し、再開発も進められています。
本記事では、持続発展都市としての期待値が高い池袋駅エリアの魅力を探るため、基本情報から周辺の住みやすさ、歴史と未来まで幅広く紹介していきます。

アートやカルチャーの発信地・池袋駅の基本情報

池袋駅は東京都豊島区南池袋にある駅です。「池袋」という地名は駅の西口側にかつてあった袋池(ふくろいけ)という池から付けられたとされますが、諸説あります。

池袋は新宿や渋谷と並ぶ繁華街で、家電量販店や大規模な商業施設、映画館や水族館などさまざまなアミューズメント施設が立ち並びます。一方で、アートやカルチャーが盛んな街としても有名です。2014年、豊島区では「国際アートカルチャー都市構想」を策定し、文化と多様性に対応した街づくりを進めています。

2022年度に国土交通省から発表された駅別乗降客数データによると、2021年の池袋駅における平均乗降客数は1日あたり814,980人で、JR東日本では2番目に多い駅です。

出典:国土交通省 国土数値情報ダウンロードサイト「駅別乗降客数データ」
出典:統計情報リサーチ「池袋駅(JR東日本)の乗降客数の統計」

なお、池袋駅の平日1日あたりの混雑度は以下になります。

※JR東日本公式サイト「駅混雑状況」およびNAVITIME「混雑予報」より加工して独自に作成
※縦軸の数字により4つの混雑度に分類。非常に混雑している(200~250)、混雑している(150~200)、それほど混雑していない(100~150)、空いている(0~100)

土日祝日は観光客や買い物客が増加し、特に昼間の混雑度が高まります。池袋駅周辺には大型商業施設やイベントホールなどがあることから、多くの人が集まる傾向にあるようです。西武池袋線や東武東上線で埼玉方面から、副都心線で横浜方面から池袋に来る利用者が多いことも特徴となります。

池袋駅への乗り入れ路線

池袋駅の乗り入れ路線は、全部で以下の8路線です。

JR東日本
● 埼京線・川越線
● 湘南新宿ライン
● 山手線
地下鉄
● 東京メトロ丸の内線
● 東京メトロ有楽町線
● 東京メトロ副都心線
私鉄
● 西武池袋線
● 東武東上線

これらの路線を使えば、東は月島や豊洲(東京都)、西は石神井公園や日本のアニメ発祥地・大泉学園(東京都)、秩父(埼玉県)、南は横浜や小田原(神奈川県)、北は宇都宮(栃木県)まで一直線でアクセスできます。都内なら、銀座(丸の内線)や中目黒(東急東横線直通副都心線)、豊洲(有楽町線)などにも乗り換えなしで行けます。

また、池袋駅から徒歩10分圏内には都電雑司ヶ谷駅があり、そこを通る都電荒川線を利用しやすいのもポイントです。

池袋駅から主要駅・空港へのアクセス

池袋駅から主要駅・空港への主なアクセス方法と、所要時間を紹介します。
● 東京駅:東京メトロ丸ノ内線で8駅
● 新宿駅:JR埼京線またはJR湘南新宿ラインで1駅
● 渋谷駅:JR埼京線またはJR湘南新宿ラインで2駅
● 羽田空港(第2ターミナル):りんかい線(JR埼京線直通)の天王洲アイル駅で乗り換え、東京モノレール(羽田空港方面・各停)で9駅(羽田空港第2ターミナル駅)
● 成田空港(第1ターミナル):JR山手線(外回り)の日暮里駅で乗り換え、京成スカイライナー(特急)で2駅(成田空港駅)

東京駅と新宿駅、渋谷駅は乗り換えなしでいずれも20分以内でアクセスできます。

池袋駅から直通で行ける観光地

池袋駅からは、特急スペーシアで東武日光や鬼怒川温泉方面に一本でアクセスできます。また、埼玉方面に向かう列車が多く乗り入れることから、副都心線や埼京線で川越、特急ラビューなら西武球場前や西武秩父へ直通でアクセス可能です。

ほかにも、以下の観光地にも乗り換えなしで行けます。
● 横浜(湘南新宿ライン、東横線直通副都心線)
● みなとみらい、元町・中華街(みなとみらい線直通東横線)
● 鎌倉(湘南新宿ライン)
● 宇都宮(湘南新宿ライン)

このように、池袋駅は観光やレジャーに行くのにも便利な駅です。

なぜ池袋エリアには外国人が多いのか?!

豊島区が掲げる「都市開発マスタープラン」で、東池袋(池袋駅東口エリア)を「多彩な魅力があふれる副都心」と位置づけています。これは、豊島区が池袋の開発を東西に明確に区別していることがうかがえます。

池袋駅の東側はサンシャイン60を中心に高層ビルが立ち並び、映画館やゲームセンターなどのアミューズメント施設も多く存在。特に、ボーリングやカラオケなどがひとつのビルに入るラウンドワンは、若者や外国人を中心に遊び場として人気を集めています。

また、秋葉原と並んで池袋駅の東側はオタク文化の聖地としても有名です。アニメイト本店や乙女ロードなど、さまざまなアニメグッズを扱う店舗が並んでいます。
ほかにも、ヤマダ電機やビックカメラなどの家電量販店やジュンク堂書店、ロフトなどの大型店舗が揃い、買い物にも便利なエリアです。

一方で、西側は芸術や文化としての顔を強く持ち、公園や劇場が点在します。池袋西口公園や東京芸術劇場周辺は、夜にはライトアップされ、ロマンチックな空間として人気です。また、JRの前身である国鉄グループが初めて出資・運営に参画した、本格的なシティホテル「ホテルメトロポリタン」がランドマークとして存在を発揮しています。

このように、東は大規模な商業都市、西は芸術の色が強い文化都市といった異なる顔を持っているのです。

2024年1月時点で、池袋駅周辺(豊島区)の居住外国人の数は32,732人です。豊島区に住む外国人の人口の割合は、8%前後となります。全国の外国人人口比率が約2%であることから、豊島区は外国人が非常に多い地域です。

また、居住外国人のうち中国籍の方は約50%に上ります。 これは1980年代後半に国際情勢も相まって中国からの移住者が急増したのと、池袋周辺の家賃相場が比較的リーズナブルであることが考えられるでしょう。

中国籍の方が多い影響から、駅の北側には中国人が経営する本場さながらの中華の味を楽しめる中華料理店や、中国人向けのスーパーも存在します。このように、池袋駅周辺は中国文化を感じられ、国際色豊かなエリアです。

閑散とした駅から日本を代表するターミナル駅へと発展した池袋駅の歴史

実は池袋駅が誕生した当初、駅周辺は広大な原野が広がり人の姿もまばらでした。東京を代表する繁華街のひとつとなった、今の池袋駅からは考えられない姿ではないでしょうか?

1885年に開業した品川線(品川~赤羽)と1886年に開業した土浦線(田端~土浦)には、福島県から茨城県にかけて広がっていた常磐炭田から東京へ石炭を運ぶ役割がありました。ところが、このルートは東京へ向かうために大幅な遠回りだったのです。そこで、雑司が谷や目白に駅を作り、田端駅に向かう新しい路線を作ろうという計画が立てられます。

ですが、この計画は一筋縄ではいきません。雑司ヶ谷や目白周辺の土地の問題や住民の反対により、頓挫してしまったのです。

この計画にかかわる人たち全員が困り果てていたところ、ふと「池袋」に注目が集まります。なんと池袋は、この新しい路線を作るのに「地形的にも建設しやすい」「周辺住民の反対運動がない」という2つの条件を満たしていたのです。関係者一同、「ぴったりな場所を見つけた!」と大喜び。そこで、無事に池袋が新路線・豊島線の接続駅として選ばれました。

ここでひとつ疑問に思いませんか?「池袋駅周辺は雑司ヶ谷や目白と違って反対運動が起こらないほど住民が少ないのに、利用客を見込めない場所に駅なんて建てていいの?」と。

ご安心ください。これにはちゃんとした理由があります。「石炭を効率よく東京へ運ぶために豊島線を作りたい!」ということから、旅客輸送ではなく貨物輸送をメインにしたかったのです。駅周辺の住宅の少なさは、大きな問題ではありませんでした。

紆余曲折を経て、実用性と地理的条件がぴったり合うことから、池袋駅は1903年に開業しました。

さらに、1909年の豊島師範学校(現東京学芸大学)開校、1918年の立教大学の移転によって池袋駅を利用する学生数が急増。若者が多くなり、活気があふれる街になったのですね!

埼玉方面からの利用者が増えたのは、1914年の東上鉄道(現東武鉄道)開業と1915年の武蔵野鉄道(現西武鉄道)開業がはじまりです。この時期から、池袋駅は交通の要所としてますます発展していきました。

1935年には、東口に菊屋デパート(現西武池袋本店)がオープン。この時代に都内各地で続々と登場していた駅ビルのひとつとして、駅利用者がショッピングやグルメを楽しむ場としてにぎわいました。

その後も池袋駅では百貨店の進出が続き、1962年には東武百貨店池袋本店が西口に誕生。東と西の両方に巨大百貨店を備えるターミナル駅として話題となり、ますます利用者は増加します。1954年には丸ノ内線が開通し、池袋駅へのアクセスがより便利になりました。

時は流れ、現代。池袋駅エリアは開発の波にも乗っています。2015年、東池袋方面に移転した豊島区役所は、49階建てのマンションが一体となった新庁舎「としまエコミューゼタウン」として行政と居住区を一体化した先進的な取り組みに感じられるでしょう。

また、今後は西口エリアで進められているのは、複雑な池袋駅の構造から駅の外へのアクセスを改善するために大規模な再開発。新たな複合施設の建設も予定され、2043年度の完成を目指しています。

芸術・文化を味わえる池袋駅周辺のスポット

池袋駅周辺には、利便性の高い施設や多彩なアートやカルチャーを楽しめるスポットが存在します。池袋の歴史と深く絡み合うおすすめのスポットを紹介します。

レジャーからショッピングまで一気に楽しめる「サンシャインシティ」

サンシャインシティは年間3,000万人以上の観光客が訪れる、5つのビルから成り立つ複合施設です。水族館や展望台をはじめ、ショッピングセンター、劇場、レストラン、ホテルなど多彩な施設が揃います。

「都心の大空を飛んでいるかのようなペンギン」を見ることができるのは、サンシャイン水族館ならでは。60階にある展望台には、天空の公園「サンシャイン60展望台 てんぼうパーク」が2023年に新しくオープンしました。人工芝が敷かれたスペースやところどころに設置された緑豊かな植物たちが、心地の良い空間を作り出しています。

ショッピングセンターは、さまざまなアパレルショップから雑貨店などが充実。飲食店も多種多様で、日本食から世界各国の料理、ポケットモンスターやサンリオなどのキャラクターカフェまで幅広く楽しめます。

演劇や音楽を迫力のあるホールで体感できる「東京芸術劇場」

東京芸術劇場は、池袋駅西口にある総合芸術文化施設です。東京都が芸術文化の振興と国際交流を図るため、1990年に開館。世界最大級のパイプオルガンを有する大ホールや演劇・舞踊の公演を行う中ホールなどを備えるほか、展示スペースや会議室もあり、芸術活動の場として活用されます。

2012年にはリニューアルオープンし、国内外の劇場や音楽堂と交流し、次世代の芸術文化を育むハブとして、創造発信や教育普及などに力を入れています。

たとえば、日本三大オーケストラのひとつ「NHK交響楽団(通称・N響)」が東京芸術劇場で公演を行うことも。N響が実際に担当した海外でも人気のゲーム「ドラゴンクエスト」の“ゲーム音楽”を楽しめるコンサートも開かれています。

外国人にもぜひ訪れてほしい、日本を代表する芸術文化の拠点です。

開放的で幻想的な憩いの場「池袋西口公園 GLOBAL RING」

池袋西口公園は、2019年に「GLOBAL RING」として生まれ変わりました。名称の由来は、かつてこの地にあった池袋の地名の発祥ともいわれる「丸池」です。

豊島区が策定した「国際アートカルチャー都市構想」の象徴となり、地域を活性化させる拠点として、さまざまなアートやカルチャーを楽しめます。公園内には野外劇場や大型ビジョンがあり、音楽や照明、噴水による演出は訪れる人々を魅了します。

公園内にあるカフェでは、日本をイメージしたさくら抹茶ラテ、中国をイメージしたマンゴージャスミンティー、韓国をイメージした木苺と柚子茶のレモネードなど、各国をイメージした「アジアンティー」のメニューを楽しめます。

劇場・公園・区民センターが一帯に集結「Hareza池袋」

Hareza池袋は、2020年に池袋駅東口にオープンした池袋の中心部に位置する複合施設です。名称の由来は、おめかしして出かける特別な場所である「ハレ(晴れ)の場」と、多くの人が集まる場所である「座」を組み合わせて名付けられました。

アートやカルチャーが盛んな池袋ならではの魅力として、8つの劇場を有します。また、エントランスゲートの「としま区民センター」は区民の自己表現や文化創造の拠点となっており、建物内部には姉妹都市の秩父市産の木材が使用されています。

中池袋公園は、アニメの聖地・池袋にふさわしくアニメイトカフェスタンドが設置されています。「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」や「るろうに剣心」といった有名な作品をはじめ、さまざまなアニメとコラボレーションしたカフェメニューも販売されており、アニメファンにとっても魅力的なスポットです。

池袋駅にゆかりのある“東西”に関する豆知識

「東が西武で西、東武」の理由

初めて池袋駅に来て混乱してしまう要素に、東口に“西”武池袋線と“西”武百貨店、西口に“東”武東上線と“東”武百貨店があることが挙げられます。

なぜこのような事態になったのかというと、東武鉄道の前身である東上鉄道が、先に路線を西側に敷設したことが発端です。東上鉄道は、東京から上州(群馬県)までの路線を計画していたことから名付けられました。そのため、池袋から川越方面へ向かう路線として、東側ではなく西側に駅が配置されたのです。

その後、菊屋デパート(現西武百貨店)が東口にオープンし、これに触発され西口には1950年に東横百貨店が進出。1962年に東武百貨店が西口にオープンし、1964年には驚くべきことに東横百貨店が東武百貨店に譲渡される展開となりました。

このような経緯が、「東が西武で西、東武」という独特の地域性を生み出したのです。

池袋駅南側で東西をつなぐ「びっくりガード」とは?

池袋駅南側には、「びっくりガード」と呼ぶ鉄道橋があります。池袋駅の東西をつなぐ重要な地点です。

それにしても「びっくりガード」という名前、気になりますよね。この鉄道橋の正式名称は「都道池袋架道橋」ですが、「びっくり」なんてワードが名前に付いたのには諸説あります。

最も有力なのが、「ガードに響く列車通過の轟音に人や馬が驚いたこと」から名付けられたもの。ほかにも、次のような由来があるといわれていますよ。

● ガードを通るタイミングで蒸気機関車からの排水が橋下に降りかかり、通行人が驚いた
● ガード下の道幅が狭いため自動車がすれ違いづらく、対向車が来ないかびくびくしており、来たらびっくりした
● 排水が悪くてガード下が池のようになっており通行人がびっくりした

現在は車道も広くなっており、人が通行する道はバリアフリー化され、便利に池袋駅の東西を行き来できます。

まとめ

池袋駅開業当初、現在繁華街としてにぎわう姿からは想像できないほど、駅周辺は原野が広がり閑散とした場所でした。そこから駅への乗り入れ路線が続々と開通し、周辺には学校や商業施設が開業したことにより池袋駅の利用者はぐんと増え、今では新宿駅に次いで2番目に乗降者数が多い駅へと発展を遂げたのです。

また、今後は東西エリアを行き来しやすくなり、池袋駅周辺が一帯となって国際交流の発信地となると考えられます。

池袋駅周辺の不動産購入を検討されている方は、本記事で紹介した池袋駅の利便性や駅周辺の住みやすさなども、ぜひ参考にしてください。