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エリア別にみる!東京の外国人居住者は10年でどう変わった?

東京都における外国人居住者の変遷とエリア別特徴(2015年~2025年)

東京都は、多様な文化が共存する国際都市として進化を続けています。
2015年から2025年にかけて、東京都内の外国人居住者数は約38万人から約65万人へと大幅に増加すると予測されており、その背景には労働需要の拡大や教育・ビジネス目的の移住があります。
今回は、東京都の公表データに基づき、23区別の外国人居住者増加率、外国人比率をランキング形式で整理し、地域ごとの特徴と変化を2025年はどうなるか考察します。

外国人居住者増加率ランキング

1位:中央区

増加率:67.9%
2015年:6,845人 → 2025年予測:11,496人
外国人比率:7.0%
特徴: 高級タワーマンションが立ち並ぶ晴海や勝どきエリアに、中国や韓国の富裕層が集まっています。
特に「教育移住」と呼ばれる現象が目立ち、子どもをインターナショナルスクールに通わせるための移住が増加しています。
また、中央区には日本橋や銀座といった歴史ある商業地もあり、観光地としても人気です。

湾岸エリアの顔とも言える晴美・勝どきエリア

銀座

2位:文京区

増加率:53.0%
2015年:5,271人 → 2025年予測:8,065人
外国人比率:4.5%
特徴: 住宅価格が安定している教育環境の良さが際立つエリアで、東大やお茶の水女子大をはじめとする名門校が集まっています。留学生やその家族の住居地として人気が高く、治安の良さも魅力の一つです。春には「文京さくら祭り」が行われ、地元住民と外国人が交流する場も多く見られます。

小石川後楽園の桜

東京大学

3位:千代田区

増加率:44.8%
2015年:3,467人 → 2025年予測:5,018人
外国人比率:3.2%
特徴:大企業の本社が集まるビジネス街でありながら、皇居の周辺は緑豊かな住環境が広がります。短期滞在の外国人駐在員が多く、ビジネスや行政へのアクセスの良さが高く評価されています。また、秋葉原は「オタク文化」の聖地としても知られ、観光で訪れた外国人がそのまま住むケースも見られます。

オフィス街が立ち並ぶ

皇居の緑

4位:足立区

増加率:43.5%
2015年:13,645人 → 2025年予測:19,577人
外国人比率:5.0%
特徴: ベトナムやネパールの労働者層が多く、家賃の安さと都心へのアクセスの良さが人気です。北千住エリアは交通の便が良く、日本語学校も多く存在しています。また、近年は荒川の河川敷が整備され、地元住民や外国人がバーベキューを楽しむ姿も増えています。

東京都 足立区 西新井大師 山門

春のネモフィラのきれいな舎人公園

5位:葛飾区

増加率:43.0%
2015年:10,761人 → 2025年予測:15,386人
外国人比率:5.2%
特徴: 東南アジア系の労働者が増加している地域。葛飾区といえば「柴又帝釈天」が有名ですが、近年はネパールやベトナムの食材店が増え、地元住民もエスニック料理を楽しむ機会が増えています。

帝釈天参道

柴又帝釈天

6位:板橋区

増加率:42.7%
2015年:8,943人 → 2025年予測:12,758人
外国人比率:4.8%
特徴:ネパール系住民が増加しており、エスニックタウンの形成が進んでいます。特に「ハラルフード」の店舗が増え、異文化交流の拠点となっています。また、板橋区には昭和の面影を残す商店街も多く、地元の日本人と外国人が自然に交流する姿が見られます。

7位:江東区

増加率:41.9%
2015年:14,227人 → 2025年予測:20,192人
外国人比率:5.7%
特徴: 錦糸町エリアを中心に外国人労働者が増加しています。近年ではベトナムやインドネシアの住民が多く、ベトナム料理店やアジア系スーパーも目立つようになりました。錦糸公園では多国籍なイベントも開催され、地域活性化が進んでいます。

8位:荒川区

増加率:40.0%
2015年:8,053人 → 2025年予測:11,274人
外国人比率:10.0%
特徴: ネパールやフィリピンのコミュニティが発展し、「リトルカトマンズ」と呼ばれるエリアもあります。地元住民との交流イベントやフェスティバルも頻繁に行われ、多文化共生のモデルケースとされています。

9位:豊島区

増加率:37.5%
2015年:15,521人 → 2025年予測:21,348人
外国人比率:11.7%
特徴: 池袋は中国系住民が集中し、「池袋チャイナタウン」と呼ばれるエリアが広がっています。また、豊島区は日本初の「多文化共生特区」に指定されており、外国人住民を積極的に支援しています。

10位:新宿区

増加率:35.0%
2015年:24,176人 → 2025年予測:32,638人
外国人比率:13.0%
特徴: 東京都で最も外国人比率が高い区で、大久保エリアにはネパールやベトナム系住民が集まっています。韓国料理店や東南アジア系のスーパーが並び、多国籍な文化が日常生活に溶け込んでいます。

まとめ

東京都で外国人居住者数が増加している背景には、実に多様な要因が関わっています。都心部では中国や韓国を中心とする富裕層が、高級住宅や教育機関を求めて移住しています。一方、東部エリアでは、技能実習生や労働者層が家賃の手頃な地域に集まり、地元経済に新たな活力をもたらしています。それぞれのエリアで特有の変化が見られることが、この現象の興味深いポイントです。
各地域にはそれぞれの特色があり、地元住民と外国人が共に暮らす新たなコミュニティが形成されています。

出典:
東京都生活文化局「東京都における外国人登録者数の推移」
東京都総務局統計部「東京都の人口動態に関する統計」

注意: 本記事のランキングや分析は独自の視点を含んでおり、必ずしも普遍的な解釈ではないことをご了承ください。