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祝うことは、未来をつくること―5月の日本の祝日が語る3つのメッセージ

1. 日本の祝日:憲法・みどり・こども―それぞれの意味とは?

憲法記念日(けんぽうきねんび) 英語表記:Constitution Memorial Day 日付:5月3日

1947年に日本国憲法が施行されたことを記念する日。戦後の新たな出発点として、平和・人権・民主主義という理念を国民が再確認する日とされている。政治や報道でも「憲法」に関する議論が活発になる一方、家庭では静かに過ごす人も多く、考えるための祝日といえる。

みどりの日(みどりのひ) 英語表記:Greenery Day 日付:5月4日

自然への感謝と共生の精神を育てる祝日。昭和天皇の自然への関心にちなんで制定され、公園や植物園でのイベントが盛んになる。自然とのふれあいを通じて、環境保護や持続可能な暮らしへの意識を高める日でもある。

こどもの日(こどものひ) 英語表記:Children’s Day 日付:5月5日

子どもの成長と幸福を願う日であり、もともとは端午の節句に由来。戦後に国民の祝日として再編され、男女問わずすべての子どもたちを対象に祝う日となっている。こいのぼりや柏餅などの伝統も根強く残る。

2. ゴールデンウィークとは?

▶日本独自の大型連休

ゴールデンウィーク(GW)は、4月29日から5月5日頃までの大型連休を指す。複数の祝日が集中することで最長10連休となる年もあり、観光や帰省が活発になる。映画業界が広めた名称が定着し、今では春の一大イベントシーズンとなっている。

3. 世界の5月の祝日:働くこと・戦うこと・守ることを祝う

▶ 労働節(メーデー)

5月1日に世界各国で行われる「労働者の日」。デモやパレードが行われ、労働者の権利と尊厳を訴える日として定着している。中国、韓国、ドイツ、フランスなどで祝日扱い。

シンコ・デ・マヨ(Cinco de Mayo)

5月5日にメキシコの独立運動の象徴的な勝利を祝う日。アメリカではラテン系文化を祝うイベントとして盛り上がり、音楽・料理・パレードが各地で開催される。

戦勝記念日(Victory in Europe Day)

5月8日、ヨーロッパ戦線の終結を祝う日。フランスやチェコなどでは、平和を象徴する記念式典や軍のパレードが行われる。戦争の記憶と自由の大切さを改めて考える機会。

4. 日本と世界の5月の祝日比較表

価値観の違いが浮かび上がる

日本では「未来を守る」ことをテーマに、平和・自然・こどもを祝う祝日が集中。一方、世界では労働者の権利、自由、独立など「社会変革」や「記憶」の色合いが強い。祝日の背景にある文化的価値が明確に異なる。

5. Q&A:5月の祝日についてのよくある質問

Q1. なぜ5月に祝日が集中しているの?

戦後の憲法施行や伝統行事に基づいて設けられた祝日が重なり、自然と大型連休が形成されました。

Q2. 世界ではどんな祝日がある?

労働節、戦勝記念日など、労働者や国の歴史に関する祝日が多く、社会的・政治的な意義を持つものが中心です。

Q3. こどもの日は海外にもある?

6月1日は国際子どもの日ですが、日本のように伝統文化と融合した国民の祝日としての「こどもの日」は珍しく、独自性が高いといえます。

6. 次回予告:祝日のない6月に見える、日本の暮らしの知恵

暮らしの中に息づく“見えない祝日”たち

6月には国民の祝日はありませんが、父の日や梅仕事、衣替えなど、日常と季節の節目を大切にする文化が息づいています。
次回は、「祝日がなくても心に残る」6月の暮らしと季節行事をご紹介します。