宮城県を代表する温泉郷・鳴子温泉鬼首(おにこうべ)にある「ホテルWAMAREオニコウベ」。
東北地方の歴史・文化・伝統に触れることができる一棟貸しの体験型施設で、館内には鳴子こけしや仙台箪笥、岩谷箪笥といった伝統的工芸品をはじめ、日本の懐かしいおもちゃも並んでいます。
この記事では、「ホテルWAMAREオニコウベ」で楽しめるおもちゃについてご紹介します。
ホテルWAMAREオニコウベ。オニコウベスキー場が近いのでスキーも楽しめる
館内には地元の鳴子こけしや、仙台箪笥が置かれている
《竹とんぼ》
竹トンボは、回転翼(プロペラ)と、翼を回すための軸のみで構成されたシンプルな形状の竹製玩具。
両手をこすり合わせるようにして軸を回転させながら飛ばすと、驚くほど高く飛び上がります。
中国に古くから伝わる玩具のひとつで、日本に伝わった時期は奈良時代ごろではないかと考えられています。
15世紀ごろにはヨーロッパにも伝わり、ルネサンス期の芸術に影響を与えたとされています。一説によると、ヘリコプターのプロペラのヒントになったとも考えられているのだとか。
《いろはかるた》
ポルトガルから伝わったカードゲームをもとに生まれたかるた。広くは花札、トランプなどもかるたの一種に含まれます。
語源は、ポルトガル語でカードや紙製品を広く表す「carta」から。
「いろはかるた」は、日本語のいろは48文字に合わせ、一音につき一枚ずつ読み札と取り札(絵札)が用意されています。
遊び方は簡単ですが、読み手を含めて3人以上が必要です。あらかじめ絵札を床に並べて、読み札を読み、他の参加者がそれに合う絵札を取り、その数を競います。
《百人一首(ひゃくにんいっしゅ)》
平安時代を中心に、奈良時代から鎌倉時代前期までに活躍した100人の歌人が詠んだ和歌を、一人につき一首ずつ集めた和歌集。
和歌の選定は、平安時代末期〜鎌倉時代初期にかけて活躍した公家で歌人の藤原定家が行いました。
江戸時代以降、ポルトガルからかるたが伝わったのをきっかけに、かるた形式の百人一首が定着したと考えられています。
読み札には和歌と詠んだ歌人の姿が描かれ、取り札にはひらがなで和歌の下の句が書かれているのが特徴です。
通常のかるたのように取り札の数を競う「散らし取り」のほか、「源平合戦」、「坊主めくり」などの遊び方もあります。
《お手玉》
手のひらにすっぽりおさまるサイズの小さな布袋の中に、小豆やジュズダマの実、小石などを詰めた「お手玉」。
着物の端切れなどを使うことも多く、日本では主に、女の子の遊びとして伝えられてきました。
最も一般的な遊び方は、2つ以上のお手玉を手に持ち、右手で上に投げて、その間に左手に持っているお手玉を右手に移し、投げたお手玉を左手で受けて……を繰り返す「投げ玉」。ジャグリングにも似た要素があります。
諸説ありますが、日本に伝わったのは奈良時代ごろ。ヨーロッパにも似たような文化があるといいます。
《だるま落とし》
円形の木片を重ねた上に“だるま”をのせた「だるま落とし」。その名の通り、横からだるまを落とさないように木づちでそっと叩く遊びで、だるまを落とした人の負けとなります。
発祥の起源は定かではありませんが、木製の玩具が多く作られるようになった江戸時代ではなきかと考えられています。
そもそもだるまのモチーフとなっているのは、6世紀頃の中国で活躍した仏教の僧侶・達磨(だるま)。
9年間に渡り、壁を向いて座禅をし続けた末にやせ衰えた腕と脚を失ったという伝説があり、手足がなく、大きな顔が特徴です。
縁起物とされており、白目のまま販売され、祈願のため左目に黒目を書き、成就したら右にも黒目を入れる「目入れだるま」の風習が今も受け継がれています。
《羽子板・つくばね》
羽子板、つくばねともに、日本に古くから伝わるお正月遊び「羽根つき」に使う道具を指します。
羽根つきには、一年の厄を“跳ね除け”、子どもの健やかな成長を祈願する意味がありました。
卓球やバドミントンのように、羽子板で鳥の羽とムクロジの実で作られた羽根を落とさないようにつき合って遊び、落とした方が負けとなります。
羽子板には縁起物、邪気を払う絵柄が描かれていました。江戸時代になると押絵細工で立体的に仕立てた「飾り羽子板」が登場し大評判に。
現代も、毎年お正月が近くなると人気キャラクターや著名人をモチーフにした飾り羽子板がメディアなどで取り上げられ、話題を呼びます。
《けん玉》
十字状の「けん(剣)」と「皿胴(さらどう)」、糸がついた「玉」からなる日本の玩具。こちらも諸説ありますが、16世紀のフランスで生まれた「ビル・ボケ」が江戸時代に日本に伝わったのではと考えられています。
現在は「KENDAMA」が世界共通語として認知されるようになり、世界中で大会が行われています。
さまざまな技がありますが、まずは基本技から。けんを持って糸をたらし、前後どちらかに玉を振るようにして引き上げます。
玉をけんの左右の皿にのせるか、けんの先に刺すことができれば成功。ちょっとコツがいるため、一度で成功するのは難しいかもしれませんが、ぜひ挑戦してみてください。
《折り紙》
色とりどりの正方形の紙を折り、動物や花などさまざまな形を作り出す「折り紙」は、日本を代表する遊びのひとつ。
江戸時代には広く楽しまれるようになり、世界最古の折り紙の本「秘傅千羽鶴折形(ひでんせんばづるおりがた)」が出版されました。千羽鶴とは、文字通り千羽の折り鶴を糸でつなげたもの。由来はわかっていませんが、鶴は縁起が良い鳥とされていることから、長寿祈願などを願って作られてきました。
折り紙は年々進化しており、「いぬ」や「チューリップ」といった3ステップで折れる簡単なものから、1枚の紙から折りだしたとは思えないほど複雑なものまで、多様な折り方が生まれています。ぜひ手に取って、チャレンジしてみてください。
●ホテルWAMAREオニコウベ
住所:宮城県大崎市鳴子温泉鬼首小向原9-38
アクセス:鳴子温泉駅から車で約30分
https://www.wa-mare.com/column/217/