(株)帝国データバンク(TDB)は3日、2023年3月の「TDB景気動向調査」結果を発表した。有効回答数は1万203社。
同月の景気DI(0~100、50が判断の分かれ目)は42.1(前月比増減なし)と横ばい。新型コロナウイルス新規感染者数の急速な減少による人流増加が押し上げ要因となった一方、引き続きコスト負担の増加などの影響を受けつつ推移した。10業界中5業界で厳しいながらも改善が見られた。
「不動産」は46.3(同0.2ポイント増)と2ヵ月連続で改善。「インバウンドの良い効果が現れている」(貸事務所)、「周辺にビル建築が増えているほか、人波も増えており商店もにぎわっている」(不動産管理)などの明るい声が聞こえた。一方で、「不動産の売買取引は活況であるが、単身者向け賃貸物件の入居が新型コロナ以降かなり苦戦している」(不動産代理・仲介)、「機器や材料の値上がりが続いている」(貸家)といったコメントも挙がった。
先行きについても、「荷動きの活発化とコスト増のバランスがとれており、先行きはやや良いと考える」(不動産管理)といった声の一方、「建築費高によるマンション価格の上昇に消費者がついてこれないほか、金利の先高感もありマイナス材料が多い」(建物売買)、「3ヵ月後は電気料金や固都税のさらなる上昇、6ヵ月後以降はインボイス制度の施行により、キャッシュフローで厳しくなることを見込んでいる」(貸事務所)などマイナス面を指摘するコメントもあった。
今後1年間程度の国内景気は、下振れ要因を多く抱えて弱含みながらも、おおむね横ばい傾向で推移する、と分析した。
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