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WAMARE経済情報

地場景況感、賃貸DIは首都圏・近畿圏共にやや低下

不動産情報サービスのアットホーム(株)は21日、39回目となる「地場の不動産仲介業における景況感調査」(2023年7~9月期)の結果を発表した。北海道、宮城県、首都圏(1都3県、東京は23区と都下)、静岡県、愛知県、近畿圏(2府1県)、広島県、福岡県の13都道府県14エリアにおいて、前年同期と比較した業況判断指数(DI)を算出(「50」が前年並み)。同社加盟店のうち、都道府県知事免許を持ち5年を超えて不動産仲介業に携わる不動産店の経営者層が対象。調査期間は23年9月14~26日。有効回答数は1,839店。分析はアットホームラボ(株)。

当期の賃貸仲介DIは、首都圏が46.5(前期比3.5ポイント低下)、近畿圏は42.5(同4.5ポイント低下)と共に低下。前年同期と比べると首都圏は10期連続、近畿圏は6期連続のプラスとなっている。閑散期であることに加え、高賃料帯の取引が少なかったことが業況を押し下げた。

全国14エリアでも、12エリアが前期比低下。首都圏は埼玉県以外が低下し、近畿圏も3エリアすべてで低下した。京都府はDIが前期から低下したものの50.8(同5.5ポイント低下)と50を上回り、好調をキープしている。その他の6エリアでは、宮城県が45.9(同1.0ポイント上昇)となった。不動産店からのコメントでは「外国籍の人の部屋探しが多い」(京都市)、「社宅や社員寮などの法人契約が増えている」(埼玉県川口市)といったインバウンドや法人需要が市場を下支えしているという声があった。

売買仲介の業況DIは首都圏が43.9(同3.3ポイント低下)、近畿圏が41.7(同2.5ポイント低下)となった。首都圏では3期ぶり、近畿圏では6期ぶりに低下した。首都圏はDI46、近畿圏はDI44をはさんで安定的に推移してきたが、ここにきて弱含みの兆しが見えている。エリア別では、14エリア中12エリアのDIが低下。前年同期と比較しても10エリアがマイナスと、全体的に下げ基調で推移した。不動産店からは「電気代などの物価高でユーザーが消極的」(埼玉県坂戸市)、「競り合って高値買いする不動産事業者が減ってきた」(千葉県柏市)など、ユーザー・事業者ともに不動産価格高騰の影響が出てきているというコメントが目立った。

23年10~12月期の見通しDIは、賃貸が首都圏50.3、近畿圏45.6とともに今期から改善するなど、楽観的な見方が広がった。14エリア中、DIが上昇するという見通しは13エリア。東京23区、京都府、北海道では見通しDIが50を超えた。売買仲介では、首都圏が43.8、近畿圏が42.0とおおむね今期から横ばいでの推移を予測。賃貸仲介とは裏腹に14エリア中で上昇見込みは4エリアにとどまった。

アットホームラボ執行役員データマーケティング部部長の磐前淳子氏は、「賃貸は支出を抑えるために低家賃帯の成約が増えたが、コロナ禍からの回復基調は維持している。売買に関しては価格高騰により実需が減退しており、前年同期を下回るエリアが多いが、東京都心部は投資家や富裕層からの需要がけん引して堅調な推移となった」と分析している。

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