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【北千住駅】穴場の街として注目が集まる北千住駅!下町情緒と先進的な街並みが融合した魅力的なエリアを紹介

JR山手線から少し外れ、東京23区の北東に位置する北千住駅周辺は下町ならではの温かい情緒が感じられつつ、先駆的なビルが並ぶ独特な街です。

昔ながらの商店街をはじめ最近では大学も増え、駅周辺には高層マンションなども建築され、長くこのエリアに住んでいる人だけでなく学生やファミリー層など幅広い年代の人々が行き交う街となりました。

本記事では、北千住駅の基本情報から歴史、おすすめスポットなどを紹介します。

なぜ“穴場”?北千住駅の基本情報

北千住駅は東京都足立区に位置し、隅田川と荒川に挟まれたエリアにあります。「北千住」という名の由来は、江戸時代に日光道中の初宿として発展した「千住宿」からきています。明治になってからその名称は「千住宿北組」、さらに「北千住」へ変遷し、駅名としても起用されたのです。

北千住駅周辺は足立区で屈指の繁華街であり、大型商業施設や昔ながらの商店街が多数あります。23区内に位置し乗り入れ路線も複数あり交通の便が良く、都心部に比べて家賃や物価が安いことから、単身世帯だけでなくファミリー世帯にも人気が高まっています。このことからも、近年では「穴場な街ランキング」に7年連続1位にランクインし、注目が集まるエリアです。

また、2022年度に国土交通省から発表された駅別乗降客数データによると、2021年の北千住駅における平均乗降客数は1日あたり337,132人で、JR東日本では第8位。北千住駅から近い秋葉原駅(11位)や上野駅(14位)よりも乗降客数が多いことになります。これは、沖縄の那覇市の人口が約310,000人(2024年2月時点)なので、那覇市の人口プラス2万人ほどの人々が1日で北千住駅を利用するということになります。

出典:国土交通省 国土数値情報ダウンロードサイト「駅別乗降客数データ」
出典:統計情報リサーチ「北千住駅(JR東日本)の乗降客数の統計」
出典:那覇市「那覇市統計情報」

新橋駅の平日1日あたりの混雑度は以下のとおりです。

※JR東日本公式サイト「駅混雑状況」およびNAVITIME「混雑予報」より加工して独自に作成
※縦軸の数字により4つの混雑度に分類。非常に混雑している(200~250)、混雑している(150~200)、それほど混雑していない(100~150)、空いている(0~100)

朝のラッシュは7時から始まり8時にピークを迎えます。北千住よりも都心へ通勤・通学する人が多いことから、東京駅や品川駅などと比べるとラッシュの時間帯が早いと考えられます。

北千住駅への乗り入れ路線

北千住駅への乗り入れ路線は、全部で6路線です。

JR東日本
● 常磐線(常磐線快速)
● 上野東京ライン

地下鉄
● 東京メトロ日比谷線
● 東京メトロ千代田線

私鉄
● 東武伊勢崎線(東武スカイツリーライン)
● つくばエクスプレス線

これらの路線を使えば東はJAXAの宇宙センターがあるつくば(茨城)、西は代々木上原や中目黒(東京)、南は品川(東京)、北は動物園と遊園地の“ハイブリッドレジャーランド”東武動物公園(埼玉)などに直通でアクセスできます。

都内なら浅草や秋葉原(つくばエクスプレス線)、押上(伊勢崎線)、上野や銀座、六本木、恵比寿(日比谷線)などに乗り換えなしで行けることも特徴です。

北千住駅から徒歩15分圏内には千住大橋駅と京成関屋駅があり、京成本線も利用しやすい立地にあります。

北千住駅から主要駅・空港へのアクセス

北千住駅から主要駅・空港への主なアクセス方法と、所要時間を紹介します。

● 東京駅:上野東京ラインで5駅
● 渋谷駅:東武スカイツリーラインで13駅
● 新宿駅:千代田線の西日暮里駅で乗り換え、山手線(内回り)で9駅
● 池袋駅:千代田線の西日暮里駅で乗り換え、山手線(内回り)で5駅
● 品川駅:上野東京ラインで7駅
● 上野駅:日比谷線で4駅
● 羽田空港(第2ターミナル):上野東京ラインの品川駅で乗り換え、京急本線(羽田空港第1・第2ターミナル駅方面)で9駅
● 成田空港(第1ターミナル):常磐線の日暮里駅で乗り換え、京成スカイライナー(成田空港方面・有料特急)で4駅(成田空港駅)

都内主要駅まで10~30分、羽田空港や成田空港までは1時間と、北千住はどこへ行くのにも便利でまさに“穴場”な駅です。

北千住駅から直通で行ける観光地

北千住駅には鬼怒川温泉や東武日光行きの特急スペーシア(特急きぬ、けごん)と、箱根湯本方面に行く小田急ロマンスカーが発着します。

また、常磐線を使えば日本三名園の偕楽園(茨城県)に一本でアクセスできます。ほかにも東武スカイツリーラインで春日部や東武動物公園(埼玉県)、つくばエクスプレス線でつくばに直通でアクセス可能です。

北千住駅エリアは下町ならではの魅力がたくさん

北千住駅周辺は、東側と西側で異なる街の表情を見せます。

東側には東京未来大学や東京電機大学など複数の大学が所在することから、学生向けのリーズナブルな飲食店が多く立ち並びます。東側には荒川河川敷が広がり、リバーサイドを舞台に夏に行われる大規模花火大会「足立の花火」といった地元の風物詩も楽しめるエリア。

西口には、ルミネ北千住や北千住マルイといった北千住を代表する二大駅ビルが立ち並び、買い物やグルメを楽しむ人で週末を中心ににぎわいを見せます。南に伸びる「ときわ通り」には、昭和から営業が続く飲食店が並びます。女性向けのおしゃれな居酒屋や、関西風の串カツを東京に広めたといわれる立ち飲み居酒屋もあり、地元のお酒ツウだけでなく、「北千住に飲みに行きたい!」と思って北千住を訪れる方も少なくありません。西方面には、「きたろーど1010」や「宿場町通り」といった昔ながらの商店街があり、古き良き下町情緒を楽しめるのも、北千住駅エリアの特徴です。

また北千住駅周辺には銭湯も多く、地元民だけでなく全国の銭湯ファンからも密かに注目を集めています。

北千住駅エリアは23区という立地にありながら都心と比べて物価や家賃が安いことからも、住みやすさを求める人にとって魅力な街といえます。このようなことからも居住外国人数も年々増加傾向にあり、外国人の住みやすさも高く評価されているといえるでしょう。実際に、北千住駅がある足立区の居住外国人数は2024年1月時点で39,331人。23区では江戸川区に次いで2番目に居住外国人数が多いことになります。足立区の調査によると、日常会話ができ、安定した生活基盤を持つ外国人が多く、持ち家率も4割超えといった結果が出ています。

出典:東京都の統計「第1表区市町村別国籍・地域別外国人人口 (上位10か国・地域)」
出典:足立区「足立区外国人実態調査2021(令和3)年10月実施報告書」

宿場町から学生街、高層ビル群へと進化し続ける北千住駅エリア

北千住駅周辺は、駅開業前から交通の要衝として発展していました。北千住の歴史は、1624年の江戸時代までさかのぼります。江戸(東京の前身)から日光へ向かう日光街道が整備され、1625年に「千住宿」が宿場町として建設されました。これにより交通量が増大したことにともなって人口も増え、米や野菜、魚などを取り扱う市場も形成されます。商業が盛んになるに連れて、千住宿は文化の集積地としても発展しました。

北千住駅が誕生したのは、それから200年以上も後の1896年のこと。日本鉄道土浦線(現常磐線)の駅として開業しました。その3年後には東武伊勢崎線が開業し、北千住駅は乗換駅となります。その後、日比谷線との相互直通運転に向けて施工ヤードを確保するための工事が行われ、1962年に橋上駅舎となりました。同年に日比谷線が開業し、東武伊勢崎線との直通運転を開始します。1969年には千代田線が開業したことによって北千住駅は4路線が乗り入れるようになり、都心へアクセスしやすくなったのです。

平成に入ってからは、1992年から約510億円をかけて大規模改良工事が開始。2003年に半蔵門線との直通運転を開始し、東武伊勢崎線が都心に直結。2005年にはつくばエクスプレス線が開業し、北千住駅は5路線が乗り入れ、郊外と都心をつなぐターミナル駅となりました。

北千住駅の変化にともなって、駅周辺の都市再開発も進められています。1987年には西口に市街地再開発事業が決定し、2004年には北千住マルイが入居する施設「千住ミルディス」が開業しました。東口では、2012年に東京電機大学が開校。足立区では大学新設を制限する法律が適用されていたことから、1993年まで大学がありませんでした。この法律が2002年に廃止されてから、2005年には足立区で北千住駅周辺を中心としたまちづくり構想「足立区文化・産業・芸術新都心構想」が示され、複数の大学を誘致。北千住駅は学生街として発展していきました。

さらに、北千住駅東口では再開発計画が進行中で、高さ約120メートルのタワーマンションや商業施設、子育て支援施設などが含まれる複合施設の整備が予定されています。近年中の都市計画決定を目指しており、街の活性化が期待されています。

北千住駅周辺のおすすめスポット

北千住駅周辺はさまざまな変遷と発展を経て現在の下町の風情と先進的な雰囲気が混ざるエリアとなりました。この独特な北千住駅周辺の街並みを体感できるスポットを紹介します。

北千住のグルメ・買い物ならここ!「北千住マルイ」

西口にある大型商業施設・北千住マルイは、ルミネ北千住と並ぶ北千住のランドマークです。メンズやレディース、キッズファッションショップが多く入居し、雑貨やコスメショップも充実しています。

2020年度にはマルイ全23店舗の中で売り場面積、売上高が1位となりました。これは北千住駅の周辺住民を中心に、北千住駅の乗り換え利用者などの利用が多いことが考えられます。

地下1階と地上1階にはテイクアウトグルメが充実しており、生鮮食品だけでなくお寿司や中華料理、天ぷらなど多種多様なお惣菜のショップが入居。9階のレストラン街には、京都生まれのとんかつ専門店や、北千住という土地にぴったりな下町食堂などが入ります。

北千住周辺のショッピングやグルメを一気に楽しむなら、北千住マルイがおすすめです。

昔ながらのグルメで食べ歩きを楽しめる「千住ほんちょう商店街」

西口方面の旧日光街道と宿場町に広がるのが、千住ほんちょう商店街です。バラエティな品揃えが充実している店が100店舗近く並びます。食べ歩きスポットとしても注目を集めており、テレビ番組の特集で紹介されることも少なくありません。

1948年創業の和菓子屋「かどや」の名物「槍かけだんご」は、昔ながらの焼きだんごで、みたらしとあんこの2種類の味を楽しめます。名称の由来は、お店の近くの寺にあった松の木に、水戸光圀公御一行が槍を立てかけて休憩したという言い伝えから来ています。

ほかにも食べ歩きにぴったりなお店が多く、商店街は連日多くの人でにぎわい、その価格の安さからも日常の食品を購入するのにもぴったりなスポットです。

自然豊かな緑と河辺の憩いの場「荒川河川敷」

北千住駅の東方には、荒川河川敷が広がります。球場やグラウンドなどの運動場が多数設置されますが、その中にも公園が点在します。

中でも周辺住民の憩いの場ともなっているのが、北千住駅の北側、千住新橋と常磐線・千代田線・つくばエクスプレス線が通る鉄橋に挟まれた空間にある公園「虹の広場」です。8つの花壇が整備され、花壇と花壇の間の地面には「虹の絵」がレンガで描かれています。春にはそれぞれの花壇に7色のチューリップが植えられ、土手の上からその花壇に目を向けると、花壇のチューリップが広場の虹の絵をつなぐ華やかな様子が見られます。遊具がないので、ピクニックやウォーキング、サイクリングなどの休憩スポットとしてもおすすめです。

また、荒川河川敷は毎年開催される夏の風物詩「足立の花火」がよく見られるスポットとして、多くの人でにぎわいを見せます。

北千住発展の起点となった歴史に触れられる「千住宿」

北千住の由来ともなった「千住宿」は1625年に誕生。2025年に開宿400年という大きな節目を迎えます。千住宿のあった場所周辺は現在、商店街(宿場町通り)に生まれ変わっています。

千住宿は日光街道(現「旧日光街道」)初の宿場で、江戸から東照宮までを結ぶ「将軍家の参道」として整備されました。1844年の人口は9,956人で、江戸四宿(内藤新宿、品川宿、板橋宿、千住宿)の中でトップでした。1594年に隅田川へ千住大橋が架橋されたことによって、陸と水路のつなぎ目となったことが、千住宿周辺の繁栄の大きなきっかけとなったといわれています。

現在、旧日光街道にある千住ほんちょう公園には、千住宿の雰囲気を伝えるために作られた千住宿史跡・旧跡案内図が存在します。北千住の発展の起点となった千住宿の歴史を辿れるスポットです。

日本庭園がある珍しい銭湯「タカラ湯」

北千住駅周辺には数々の下町ならではの銭湯が点在しています。その中でも北千住駅の北西に位置するタカラ湯は、男湯側にある日本庭園が自慢の銭湯。銭湯好きの間で、タカラ湯は「キングオブ縁側」や「キングオブ庭園」と呼ばれ、親しまれています。

庭園ではツツジやアジサイ、紅葉などの四季折々の花や木々を楽しめます。池には錦鯉も泳いでおり、湯上がりに縁側に座って庭園を眺めながら涼むのは、まさに“乙”ですね。女湯には本格的なフィンランドサウナも設置され、“整う”体験もできます。

ドラマのロケ地としても度々使用されるようで、地元民だけでなく全国の銭湯好きが集まるスポットです。

公式サイトでは、タカラ湯のお風呂や庭園の写真を確認できます。

秋葉原駅や上野駅よりも利用者が多い!北千住駅に関する豆知識

最後に、北千住駅に関する2つの豆知識を紹介します。これらを知っていれば、北千住駅マスターと呼べるかもしれません。

北千住駅と南千住駅の1駅間だけを走る電車がある?

東京メトロ日比谷線では、北千住駅~南千住駅間の“ひと駅だけ”運転する列車が設定されています。始発から終点までの所要時間はなんと約3分で、駅間距離は2.1km。

北千住発南千住行きは、平日に3本運転しています。逆方向の南千住発北千住行きは平日6本と土休日1本で、すべて北千住から折り返しの中目黒行きの列車です。なぜ、この一駅だけを走る電車があるのでしょうか。

日比谷線の南千住駅と北千住駅の間には、車両基地の千住検車区があります。ところが、千住検車区の出入庫線は南千住駅側のみにあるため、検車区を出て北千住始発となる電車も、一旦南千住駅に向かわざるを得ないという仕組みになっています。

そこで、南千住駅から北千住駅へ移動する電車を営業列車として運行しているのが、この“ひと駅電車”なのです。

北千住駅は都心から少し離れているのになぜ利用者が多いの?

2021年度のJR東日本の停車駅の駅別乗降客数ランキングで、北千住駅は第8位を誇ります。これは新橋(9位)や秋葉原(11位)、上野(14位)よりも多いことになります。また、かつては東京駅より乗降客数が多い時期もありました。

北千住が位置するのは足立区という、千代田区や港区などの都心からは少し外れたいわゆる“下町エリア”。なぜ、北千住駅の利用者は多いのでしょうか。

これは、北千住駅が埼玉や栃木、群馬、茨城という北関東方面から東京へ出てくる人たちの乗り換え地点となることが、利用者数が増加した大きな要因だと考えられます。また、千葉や埼玉方面から都心に向かう際にも利用しやすい駅です。

ほかにも、北千住駅周辺には大学が5つあり学生街としても機能していることからも、学生の利用が増えていることも理由のひとつでしょう。このことからも、北千住エリアは家賃収入の見込みが高く、投資用不動産は安定した収益を期待できるでしょう。

北千住駅周辺は物価も安く、家賃相場も近隣の秋葉原や浅草、上野と比べると若干低めです。商店街も複数あり昭和から続くお店も多く、令和におけるレトロブームからも若者や海外からより多くの人が集まる街となっている傾向があります。

都心へのアクセスが良好で、23区にありながら都心よりも物価や家賃を比較的抑えられる北千住駅エリアは、将来的な価値の上昇が見込めます。

まとめ

昔ながらの下町の雰囲気に、モダン要素が強く取り入れられた北千住駅エリア。その土地に長く住む住民だけでなく、若者や外国人も増え活気あふれる街となりました。

23区に位置しながら物価や家賃も比較的リーズナブルで、都心へのアクセスもしやすい側面は、まさに“穴場”。駅周辺には、歴史を感じられるスポットも盛りだくさんです。

北千住駅周辺の不動産購入を検討されている方は、本記事で紹介した北千住駅の利便性や駅周辺の住みやすさなども、ぜひ参考にしてください。