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不動産取得税とは?固定資産税・都市計画税とは?

不動産を取得・保有していると、さまざまな税金がかかります。
ここでは「不動産取得税」、「固定資産税」、「都市計画税」について解説します。

不動産取得税とは

「不動産取得税」とは土地や建物などの不動産を取得した場合に課せられる地方税のことで、土地と建物にそれぞれ課税されます。
不動産の取得時のみ支払う税金で、毎年課税されるものではありません。取得日から一定期間内に不動産取得税申告書を提出し、不動産がある都道府県に納税します。

【税額の求め方】

固定資産税評価額×税率4パーセント

固定資産税評価額とは、総務省が定める固定資産評価基準に基づいて、各自治体が個別に決める評価額です。
土地の場合は地価公示価格の概ね70パーセントが目安といわれていますが、立地や面積など様々な条件によって決定されていて、3年ごとに見直されることになっています。
最新の固定資産税評価額は各自治体が作成する「固定資産課税台帳」によって確認することができます。

【軽減措置について】

国土交通省では、住宅取得・流通の促進を図るため、新たに住宅を取得した場合の不動産取得税の税率を3パーセントに軽減すると定めています。

●新築住宅では「建物」から「固定資産税評価額-1200万円」が控除されるため、最大で36万円( 1,200万円×3パーセント)が軽減されます。

新築住宅の建物部分の不動産取得税額=(建物の固定資産税評価額-1,200万円)× 3パーセント

《新築住宅の軽減措置適用条件》
・居住用の不動産であること
・住宅の延べ床面積が50平方メートル(一戸建て以外の賃貸住宅は40平方メートル)以上、240平方メートル以下であること


●中古住宅の場合は「固定資産税評価額-築年次ごとに決められた額」が控除されます。

不動産取得税額=(建物の固定資産税評価額 -築年次ごとに定められた控除額)×3パーセント

参考までに、東京都の場合の築年次ごとの控除額は以下の通りです。

《中古住宅の軽減措置適用条件》
・自らが居住することを目的とした住宅であること
・取得した住宅の延べ床面積が50~240平方以下であること(物置や車庫、マンションの共用部分なども含む)
・1982(昭和57)年1月1日以後に新築された建造物で、新耐震基準を満たすもの

「土地」の軽減措置については少々複雑ですが、下記の計算式が用いられます。

土地の不動産取得税額=((土地の固定資産税評価額×1/2)× 3パーセント)-軽減額

建物との大きな違いは、税率を乗じてから軽減額を差し引くという点です。
また軽減額は、以下に示したうち、高い方が適用されます。

・(土地1㎡あたりの固定資産額×1/2)×(住宅の課税床面積※×2)×3%
・45,000円
※上限200㎡

土地1㎡あたりの金額とは、固定資産評価額を地積(土地の面積)で除した額です。軽減措置により、固定資産評価額を1/2にします。なお、本措置は「2024年(令和6年)3月31日までに取得した建物」という時期制限があります。

《土地の不動産取得税軽減措置の適用要件》

新築住宅の場合

住宅を新築した際、土地の不動産取得税に軽減措置が適用されるのは、「新築住宅の不動産取得税要件」を満たしていて、なおかつ3つのいずれかに該当する場合です。
・土地を取得してから3年以内にその土地の上に住宅を新築すること。かつ住宅が新築されるまで、その土地を継続して所有していること
・住宅の新築前に先行して取得した土地を譲渡した場合、土地取得から3年以内に譲渡相手がその土地の上に住宅を新築していること
・住宅を新築後から1年以内に、その住宅を新築した人がその住宅の敷地(土地)を取得していること

中古住宅の場合

・土地と住宅の取得者が同じであること
・取得した住宅が中古住宅の軽減要件を満たしていて、なおかつ土地の取得が住宅取得前後の1年以内であること

不動産取得税の軽減措置は、原則として申告制で、各都道府県税事務所などの窓口に申請する必要があります。
提出期限は不動産を取得してから原則として60日以内で、不動産取得税の申請手続きと同時に申請できます。
提出する書類は自治体によって異なりますが、不動産取得税の軽減措置の申告書の他、不動産の「売買契約書」と「登記事項証明書」、「検査済証」などが必要になります。
都道府県税務署などに事前に確認をしておきましょう。

固定資産税とは?

「固定資産税」とは毎年1月1日現在、固定資産とされる土地、家屋、償却資産(事業用に用いる機材や車両など)を所有するすべての人に貸される地方税で、固定資産を所有する限り、毎年支払わなければならない税金です。

【税額の求め方】

固定資産税評価額×税率1.4パーセント

固定資産税の税額は、不動産取得税と同じように固定資産税評価額を基に決定されます。
ただし、所有している固定資産の価値が、土地30万円以下・家屋20万円以下・償却資産150万円以下であれば、固定資産税は課されません。

【軽減措置について】

・小規模住宅用地(住宅1戸につき200平方メートルまでの部分)…1/6に軽減
・一般住宅用地(小規模住宅用地以外)…1/3に軽減

新築住宅に係る固定資産税の軽減措置は、2022年3月31日までに新たに建てられた住宅について適用されます。
軽減される税額は、新築一戸建ての場合で3年間は1/2、新築マンションでは5年間、1/2に減額となります。
さらに新築の「長期優良住宅」に認定された建物の場合、戸建ては5年間1/2、マンションでは7年間1/2に減額されます。

【軽減措置の減税要件】

・新築物件の居住用部分の床面積の割合が1/2以上あること
・床面積が50~280平方メートルであること

この他、既存住宅の改修のうち、「バリアフリー改修」「省エネ改修」「耐震改修」については、一定の条件を満たしていれば、軽減措置の対象となります。
不動産取得税と同様に、固定資産税の軽減措置も自身で申告手続きを行う必要があります。
申告の期日や提出書類は自治体によって異なるため、都道府県税務署で確認しましょう。

都市計画税とは?

「都市計画税」とは、都市計画事業や土地区画事業の費用に充てることを目的にした地方税で、市街化区域内に土地や家屋を持っている人に毎年課される地方税です。
耳慣れない言葉ですが、“市街化区域”とは、都市計画法で指定される都市計画区域の1つ。
「すでに市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」と定義され、 すでに市街地として栄えている場所や、公共施設の整備などで今後市街化が進められる場所のことを指します。

【税額の求め方】

固定資産税評価額×税率(自治体ごとに定められている数値で、上限0.3パーセント)

自身が土地や建物を所有する地域が市街化区域に該当するかについては以下の方法で調べることができます。
・自治体に問い合わせる
・不動産会社に問い合わせる
・「都市計画図 ●●●(市町村名)」でインターネット検索する

【軽減措置について】

所有する物件が、自身が居住する目的で建てたもの、住宅用の賃貸マンションなどに該当していれば、以下のように都市計画税が軽減されます。

・小規模住宅用地(住宅1戸につき200平方メートルまでの部分)…1/3に軽減
・一般住宅用地(小規模住宅用地以外)…2/3に軽減

都市計画税の減免措置については、申告は不要です。
毎年、固定資産税の通知書と都市計画税の通知書が合わせて郵送で送られてきます。
納付の時期は自治体ごとに異なるため、ホームページなどをチェックしておきましょう。