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2月の和風月名、「如月」とは?如月に込められた春の兆しと伝統

如月の由来とは?

和風月名とは、日本の伝統的な月の呼び名で、自然や暮らしを象徴する美しい言葉です。2月は「如月(きさらぎ)」と呼ばれ、寒さの中にも春を待ち望む日本人の心を映しています。
如月の語源として有名なのが、「衣更着(きさらぎ)」に由来する説です。寒さが厳しく、さらに衣を重ねる必要があることからこの名が付けられたとされています。この由来から、昔の人々が厳しい冬を耐え忍び、春を待つ心情が感じられます。
また、「如月」には「草木が芽吹く月」という意味もあります。寒さの中でも少しずつ春の兆しが見え始め、自然界が新しい生命を宿す季節でもあります。こうした意味には、自然と共に生きる日本人の感性がよく表れています。

歴史や文学に見る如月

如月は古くから文学作品にも登場し、多くの人々に親しまれてきました。平安時代の和歌には、寒さの中で春を待つ心情が詠まれています。また、俳句では梅の花が如月を象徴する風物としてしばしば詠まれます。
松尾芭蕉の句「梅が香に のっと日の出る 山路かな」は、寒い朝に漂う梅の香りと春の気配を詠んだものです。このように、如月の名前には、自然の移ろいを通じて季節を慈しむ心が込められています。

2月の自然と風物詩

如月といえば、まず思い浮かぶのが梅の花です。厳しい寒さの中で凛と咲く梅は「春告草(はるつげぐさ)」とも呼ばれ、春の到来を知らせる存在として古くから愛されてきました。また、霜柱や白く輝く雪景色もこの季節ならではの風物詩です。
季節の小さな変化に目を向けることで、寒さの中にも春の兆しを見つけられるのが如月の魅力です。
また、霜柱や白く輝く雪景色など、冬らしい風物も2月の見どころです。こうした自然の移ろいを観察することで、如月の季節感をより深く味わうことができます。

松尾芭蕉の句にも詠まれている梅の花

霜柱

節分と恵方巻き

如月の行事といえば節分が代表的です。節分は邪気を払い、新しい春を迎える準備として行われる日本の伝統行事で、豆まきや鬼のお面などの風習が有名です。恵方巻きは、特定の方角(恵方)を向いて無言で食べることで、その年の福を呼び込むとされています。
恵方巻きの具材は「七福神」にちなみ7種類が基本とされますが、現代では創意工夫を凝らしたバリエーション豊かな恵方巻きが販売されています。如月に恵方巻きを楽しむことで、家族や友人との絆を深めながら日本の伝統を感じることができるでしょう。

節分の豆まき

恵方巻

他国の月名と和風月名

如月には日本独自の自然観や文化が映し出されていますが、他国の2月もまた興味深い特徴を持っています。
たとえば、中国では旧正月「春節」が盛大に祝われ、家族が集い新年を迎える時期です。
欧米では、バレンタインデーや「グラウンドホッグデー」など、春を待ち望む習慣があります。
こうした文化の違いに触れると、日本の如月が持つ自然への敬意や季節感が一層引き立ちます。

如月の楽しみ方を見つける

如月は、寒さが続く中でも春の兆しを感じられる特別な季節です。この月をもっと楽しむために、自然や文化に触れてみませんか?
たとえば、梅の名所を訪れるのはいかがでしょうか。茨城県の偕楽園は、日本三名園の一つとして知られ、如月には多くの種類の梅が見頃を迎えます。その美しい花々と漂う香りは、厳しい寒さの中に春の訪れを感じさせてくれます。また、京都の北野天満宮や東京都内の湯島天神など、各地にある梅の名所もおすすめです。それぞれに異なる雰囲気を持つ梅の風景を楽しむことができます。
さらに、これらのスポットを訪れる際には、地元の歴史や文化にも触れてみてはいかがでしょうか。如月は、ただ季節を感じるだけでなく、日本の自然や伝統に親しむ良い機会でもあります。

日本三名園の一つとして知られる茨城県の偕楽園

京都の北野天満宮

まとめ

如月は、寒さの中に春の兆しを見出し、季節の移ろいを感じる喜びを教えてくれる月です。その由来や意味を知ることで、日常の中に新たな発見が生まれるかもしれません。この2月、如月の季節感を意識しながら、心豊かに日々を過ごしてみませんか?
自然と心を通わせながら季節を楽しむことが、私たちの生活をより彩り豊かにしてくれるでしょう。

●写真で紹介する日本の2月

2月に見られる花や植物:椿

2月に見られる花や植物:ふきのとう

爽やかな酸味がおいしい「八朔(はっさく)」