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「人生100年時代」を見据えた住政策を検討

国土交通省は17日、社会資本整備審議会住宅宅地分科会の61回目の会合を開き、住生活基本計画の改定に向けた議論を行なった。

冒頭、国交省が12日に公表した同分科会マンション政策小委員会の取りまとめについて説明した後、日本社会事業大学専門職大学院教授の井上 由起子氏、NPO法人抱樸理事長の奥田知志氏、スリール(株)代表取締役の堀江敦子氏の3委員がプレゼンテーション。井上氏は、居住支援やアフォーダビリティといった視点で住生活を支える仕組みについて説明し、奥田氏は「家族と持家がある」という前提の変化に対応するための「包括的居住支援政策」について提言。また、堀江氏は共働き世帯の住まいをテーマに現状および将来の課題について指摘した。

これらに対して他の出席委員からは「これから高齢になる若い世代の単身者に対して、居住支援があることをどのようにアピールしていくかが重要」「アフォーダブルな住宅が全国各地に求められる」などといった意見が挙がった。

その後、国交省がこれまでの分科会での意見を踏まえた「人生100年時代における住生活を支える仕組み」について、今後の検討の方向性を説明。(1)人生100年時代、(2)セーフティネット(孤独・孤立、居住支援)、(3)アフォーダビリティ、(4)担い手減少(地方公共団体の役割)といった4つの視点での検討が必要になるとし、高齢単身者の住まいやケア、民間賃貸・公営・公社・URなどの窓口一元化、公営住宅を活用したアフォーダブル住宅の供給、地方公共団体の担うべき役割や宅建業者の活用といった多面的な検討を行なっていくべきとした。

これに対して出席委員からは「高齢世代だけでなく、若い世代の住生活を支えるという視点が必要ではないか」「公営住宅にはかつて、若い人が住んで住宅購入の資金を貯めるという役割もあった。セーフティネットとしての活用だけではなく、こうした視点も必要では」などといった意見が挙がった。

次回の会合は3月26日。ストック社会における住宅・住環境・市場のあり方について委員がプレゼンテーションを行なう。月に1回ペースで会合を開き、7~9月をめどに中間取りまとめ案について議論。11月をめどに中間取りまとめを行ない、その後、新たな住生活基本計画(全国計画)について議論し、2026年3月の閣議決定を目指す。

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